背景

　DAIKINは空調メーカーの大手企業として、中国に進出以来、売上額は大金全世界の1/5を占める大きな海外市場となりました。

　市場拡大に伴い、DAIKIN中国現地法人より、空調機稼働状況をより正確に把握するため、データ分析を目的とした「Smart Report」の開発依頼が来ました。本案件、弊社は要件定義から、設計、プログラミング、テスト、リリースまでシステム開発の各段階に携わってきました。

課題

　中国各地の営業社員は、より良いアフターサービス、カスタマーサポートを行うため、常に技術部門に空調機稼働状況のデータ分析を求めていました。その後、技術部門はそれらのニーズに合わせ、都度手動でデータを抽出し、データ分析のレポートを作成していました。中国市場の急成長により、相互確認に大きく時間を取られ、認識に齟齬が生じる場面も少なくはありません。その結果、作業はだんだん大きな負担となってしまいました。

　また、中国各地の営業社員の管轄が異なるため、担当エリアの権限に応じたデータの提供を厳守しなければいけません。万全な確認作業やセキュリティー対策をできなければ、情報漏洩のリスクが高まります。

改善策

　まず、毎日発生する膨大な空調機稼働状況のデータに対して、迅速に収集と処理を行います。今回はビックデータの処理によく使われているGo言語を活用し、さまざまな種類や形式のデータ群の整理統合を数秒以内に完成させることができます。それから、営業部門の要望も汲み取り、顧客との営業活動に特化した分析レポートを意識し、パターン化、図表形式などの要素を取り入れました。

　その結果、営業社員は自ら求めるデータを抽出し、秒に営業活動に優しいデータ分析レポートが自動的に生成されます。全ての工程は技術部門を経由せず済むため、コミュニケーションの時間やミスを大きく削減できました。

　また、最小権限の原則を基に、物件単位までこまめに付与するため、情報の安全性と顧客のプライバシーを最大限に守ることができました。

　システム構築にあたり、今後の機能追加や性能向上ができる拡張性を意識したシステム設計を行ったため、今後の業務拡大にも長くサポートし続けられます。

導入効果

　リリース以来、空調機監視システム「Smart Report」は正常に稼働し、毎日社内（中国現地法人）数千人の営業社員にスピーディーかつ正確なデータを提供しています。